Kiri's diary

きりねこNote

数学関連のことについてよく書きます

解析学

複素解析をざっとまとめるー21(第4章の章末問題)

目次 章末問題 章末問題 (1)曲線\(C\)を含む領域において\(f(z)\)は連続であり, \(C\)上で\(|f(z)|\le M\)とします. 曲線\(C\)の長さを\(l\)とすれば, 次の不等式が成立することを証明してください.\begin{align}\left| \int_{C}f(z)dz \right| \le \int_{C}…

第10回 関数解析ゼミ(2018年7月1日)

シグマの構成(|u(x)| le N)をみたす全ての(uin L^{1}(mathbb{R}^{n}))と(orall arepsilon > 0)に対し, egin{align}exists,vin C_{0}(mathbb{R}^{n})quad { m s.t.}quad onumber \|u-v|_{L^{1}} < arepsilon quad mbox{かつ}quad |v(x)|le N onumber end{alig…

第9回 関数解析ゼミ(2018年6月27日)

2.5の証明の前に必要となるLecesgue積分の性質をいくつか. Lebesgue積分のゼミではないので, Lebesgue積分論について基本から段階的に解説していくことはしない. 数学的性質ないしは主張を列挙するに留める. 1. 零集合(mu)をLebesgue測度とする. (Esubset ma…

第8回 関数解析ゼミ(2018年6月20日)

関数の台とする. \begin{align}K_{u} = \{x\in \Omega\, | \, u(x)\neq 0\} \nonumber \end{align}のにおける閉包をの台(support)といい, と表す. でがのコンパクト集合であるもの全体をと表す. 2.3 をの可測集合とし, とする. 上の可積分関数全体の集合をと…

複素解析をざっとまとめるー20(複素関数の積分その5)

目次 留数定理 テイラー展開 ローラン展開 留数定理 留数定理 留数定理について話しましょう. 留数定理というのは, 「留数」という数を使って, 積分値が求められるよ!という定理です. 私たちが求めたい積分は, 関数が定義されている領域内に, 特異点が存在…

複素解析をざっとまとめるー19(複素関数の積分その4)

目次 コーシーの積分公式 グルサの定理 コーシーの積分公式 コーシーの積分公式は, コーシーの積分定理を出発点として導かれる重要な定理たちの1つです. コーシーの積分公式 複素関数が, 単純閉曲線の周上および内部全体で正則であるとする. の内部の領域を…

複素解析をざっとまとめるー18(複素関数の積分その3)

目次 積分経路の変形 閉曲線でない場合 閉曲線の場合 積分の基本公式 積分経路の変形 線積分を求めるとき, が領域の全ての点で正則ならば, 積分経路を変形する必要はありません. なぜなら, コーシーの積分定理よりが容易にわかるからです. 積分経路の変形が…

複素解析をざっとまとめるー17(複素関数の積分その2)

目次 複素線積分 コーシーの積分定理 複素線積分 さて複素数の積分です. 複素積分は実数でのリーマン積分を形式的に複素数に拡張したものとして定義します. 複素平面上の曲線 複素平面上の曲線とは, 変数によって表される2つの連続関数によって\begin{align}…

複素解析をざっとまとめるー15(第3章の章末問題の解答)

目次 (1) (2) (3) (4) (1) \begin{align}u_{x} &=3x^{2}+6xy-3y^{2} \nonumber \\u_{y} &=3x^{2}-6xy+3y^{2} \nonumber\end{align}となります. CR関係式より, \begin{align}v_{x} &=-u_{y}\nonumber \\&=-3x^{2}+6xy-3y^{2} \tag{1} \\v_{y} &=u_{x}\nonumbe…

複素解析をざっとまとめるー2(複素数の基本理論その2)

目次 幾何的な視点から 複素数とは何か 加法と減法 倍, 複素共役, 絶対値 極座標, オイラーの公式 乗法と除法 変換 幾何的な視点から 複素数とは何か 次に幾何的な視点から複素数を見てみましょう! 数直線を使って実数の話をした, あるいはされた経験がある…

複素解析をざっとまとめるー1(複素数の基本理論その1)

目次 複素数の基本理論 代数的な視点から 複素数の定義 実部と虚部 複素数の同値関係と四則演算 複素数の共役 複素数の絶対値 複素数の基本理論 複素解析の話をはじめましょう! 複素数は代数的な視点と幾何的な視点の2つの視点から捉えることができます. こ…