養父が死んだので人生を思い返したい
私は1997年に生まれました。
私の両親は私が生まれたすぐあとに離婚し、父はさらにその後まもなく癌で死にました。
母はこうしてシングルマザーになったわけですが、すでに2年早く生まれた姉がいました。
母はシングルマザーのまま子供2人を育てるのは難しいと思い、私を母の両親(すなわち私から見れば母方の祖父母)に預けることにしました。
私は祖父母と養子縁組を組み、戸籍上も私は祖父母の子供となり、母と姉とは別れて祖父母の家で暮らすことになりました。
私の母は私を23歳で産み、姉のことは21歳で産んでいます。だいぶ若い年齢で産んでいますが、一方でそのとき私の父は40代前半でした。
まず20歳そこそこの女を妊娠させている40代の男、というだけでヤバそうですが、実際母に対するDVが原因で離婚になり、酒の飲みすぎで大腸癌になって死んだのでヤバい人間だと思います。
父の本名は知りません。写真は1回だけ見せてもらったはずですがあまり印象に残っていません。「なんか昔そういう人がいたんだな」ぐらいの感覚です。
ここから祖父母らのことを養父養母と呼び、実の父母のことを実父実母と呼びます。
養父養母は私のことを大変可愛がってくれました。
血縁的には孫なわけですからまさに「目に入れても痛くない」といった感じで猫かわいがりでした。
「なんでも好きなことをしなさい」という接し方で、私がなにかすると「天才だね~」と言ってくれ、私はアホなので「オレって天才~!」と思っていました。
一方で養父養母の夫婦仲はずっとよくありませんでした。
そもそもこの養父養母は私を養子にするために結婚した男女でした。
母方の祖父母だと先ほどは書きましたが、実は私の本当の祖父母夫婦は私の母を産んだあとに離婚しており、その後祖父はどこかへ行ってしまったようです。
私を養子として預ける話が持ち上がったとき、養子縁組を組むためには夫婦関係が必要ということで私の養母はそのとき自分が経営していたスナックによく来ていた男と再婚しました。それが養父です。
このため養父は血縁的には母方の祖父でありながら、私とは血が繋がっていません。
このような経緯で夫婦になっている二人ですから、本来夫婦になるほどの愛は両者の間にはなかったのだと思います。
「本当はあんな人と籍を入れたくなかったんだけど、お前と養子縁組を組むために籍を入れたのよ」という話を、特に養母はよくしていましたし、日常的に(特に食事のときに)二人はよく言い争いをしていました。
養母はずっと腎臓が悪く足がむくんでしまうため、椅子に座っているときは(食事時も)基本的に足をテーブルの上に乗せていました。(足に水が溜まらないようにするため)
これが行儀が悪いというのでやめろ、というのが喧嘩の発端の定番でした。
私はアホなので足をテーブルに乗せることも、二人が食事時に喧嘩していることもあまり気に留めていませんでしたが、今思えばどっちもどっちだなという感じがします。
そもそもの因果を考えれば結婚するきっかけになった私にも恨みつらみが飛んできて良いような気がしますが、二人とも私には甘々でした。
なので私は養父養母から愛されていた自覚がありますし、私も二人のことを家族として愛していた自覚があります。
それに対して実母からはあまり興味を持たれた自覚がありませんでした。
実母の家と養父養母の家は隣町で、自転車で30分ぐらいの距離でしたが、実母は私を養子に出した後ほとんど会いに来ませんでした。
1、2年に1回ぐらいの頻度でしか実母と会わなかったため、感覚としては遠い親戚という感じでした。
授業参観や三者面談などの学校行事に来たこともありませんし(運動会には1回だけ来ました)、母と一緒に住んでいた姉との距離感を見ても、そんなに子供に興味がないんだろうという印象でした。
また、実母はとにかく片付けのできない人間で、家がゴミ屋敷状態でした。
単に部屋が散らかっているというレベルではなく、テレビとかでニュースになるような家からゴミがあふれているようなゴミ屋敷です。
まず家の玄関を開けると、目の前のリビングの左右両側の壁に、天井近くまでゴミが積まれています。
ゴミの壁の間に、線のようにフローリングが見えているところがあって道のようになっていて、「立川黒部アルペンルートみたいだな」と家に行くたびに思っていました。(道路の両側が雪の壁になっているやつ)
あと賃貸のアパートなのに家の中でセブンスターをすぱすぱ吸うので壁がヤニで黄色くなっているし、カーペットで火を消すのか根性焼きのような黒い焦げが床に無数にありました。
まぁとにかく実母はそういう人間でした。
私が中学1年生のとき、たまたま実母の家に行くと姉が手首を切っていました。
姉は中学の途中から不登校になり、いわゆるオーバードーズやリストカットを常習的に行っていたようです。
私がそれを目撃したのは偶然でしたが、実母の家のゴミ屋敷の中で手首が血まみれになっている姉の姿はよく印象に残っています。
奥の部屋に実母がいたので、なぜ姉はあんなことをしているのか聞いたら「なんか嫌なことがあったらしいよ」と言われ、(あ、そんな感じなんだ...)と思いました。
この一連の光景は今でもよく思い出されます。「この世界はあのとき姉が手首を切りたくなった世界なんだな」とよく思います。
ちょうど同じぐらいの時期に養母の腎臓の状態が悪化し、人工透析をするようになりました。
先ほど書いた通り養母と養父は仲が悪いので、病院の付き添いなどは基本的に私が行き、養父は必要な書類にサインをするだけ、といった感じでした。
当時の私はそのことについて何も思っていませんでしたが、今思えば中学生がおばあちゃんの手を取って病院にくるのは、客観的にはかなり健気な光景だったなと思います。
高校生3年生のときに養父が認知症になりました。
認知症人間のよくある行動として、養父は徐々に暴力的になって、家の中で物を投げつけたり、夜中に急に警察を呼んだりするようになりました。
人工透析で週3回通院している養母がいるなかで、一緒に暮らしていくにはとても厳しい状態になったため、老人ホームに入ってもらうことになりました。
そのための準備として養父の資産の整理をしていると、実は借金があることが分かりました。
私はあまり詳しく知らないのですが、養父は地元の土木関係の協会の理事をやっていたらしく、その運営の中で生まれていった借金のようでした。
弁護士を入れて色々と整理した結果、400万円の借金が最後に残り、住んでいた家が差し押さえられることになりました。(我々の家は養父の名義の一軒家でした)
また、私の教育資金のためにと養父が契約していた学資保険も私が知らない間に解約されており、積み立てられていたお金が引き出されて使われていました。(おそらくお金に困った養父が使ったのだと思います)
とにかく養父は老人ホームに入れましたが、私と養母は住む家がなくなってしまいました。
養母はそのとき60代後半でしたが、若いときに納めるべき年金を納めていなかったらしく、年金を受給できる対象ではありませんでした。
実母は当然のようにお金などありません。
私と養母は市役所に行って事情を説明し、養母には生活保護がもらえることになりました。新しいアパートも紹介してもらえました。
ただ当然ながら働く能力のある私に対しては生活保護は出ないので、私は週4日ほどコンビニのバイトを始めました。ここからの2,3年間は本当にお金がなく苦しい時期でした。
私は勉強するのが好きだったので素粒子論の研究者になりたいと思っていました。高校3年生のときに東大を受けましたが20点ほど足りずに落ちてしまいました。
市役所の生活保護の人には少し渋られましたが、1年浪人することにしました。
バイトは続けていましたがお金はないので、1日で使えるお金が500円だったりとか、ガスや水道などがよく止まったりとか、そういう生活でした。
毎月の給料日には自分に対してのご褒美として松屋で牛焼肉定食を食べていたのですが、ある日急にそのときの生活の苦しさが思われて新宿の松屋のカウンターで泣き出したりしました。
その時は浪人の苦しさだったり、養母の世話の苦しさがあったんだと思います。
再び東大を受けましたが10点ほど足りずに落ちてしまいました。埼玉大学に受かったので入学することにしました。
入学金などは社会福祉事務所というところが貸してくれました。担当の金子さんという人がすごく話を聞いてくれて良い人でした。
大学では興味ある講義にとにかく出て、バイトが無い日は閉館まで図書館にいる、という感じで勉強しまくれて最高でした。
特に数学が面白かったのでよく勉強するようになりました。
大学生になってから養父に面会にいきましたが私のことはあまり覚えていませんでした。
大学2年生のときにコンビニを辞めて、ノジマという家電量販店でバイトを始めました。
大学では数学が面白すぎて数学サークルに入りました。数物セミナーという集まりの合同合宿にも2回ほど行きました。
応用数学とか、数理物理とか、微分幾何学とか、そのあたりが好きでした。
このときに数学を通じてできた人のつながりが今でも続いていて、豊かな時期だったなと思います。
大学3年生のときに養母が亡くなりました。このタイミングで埼玉大学を辞めることにしました。
生活費を稼ぐのでいっぱいで大学の学費を納めるどころではなかったからです。
お金なら貸すから大学に残れと言ってくれた人が2人もいましたが、私はちゃんと返事ができませんでした。
この2人には心から感謝と尊敬の念を持っています。私が逆の立場ならそんな風に声をかけられる自信がありません。
あの時は本当にありがとうございました、そして返事ができずに申し訳ありませんでした。返事ができなかったのは私の意思が弱かったためです。
このときは「私はここまでの3年間で十分たくさん勉強したし、家もこんな状況だからもういいだろう」と半分納得半分諦めのような気持ちでした。ですが後悔は残らない選択でした。
一方で養母の死に関しては思い残すことがあります。
養母は腎臓の具合が悪化して死ぬ2年前ぐらいから入院していました。
入院に関する手続きはもちろん私がしましたが、それ以降入院中の養母には会いにいきませんでした。
新型コロナが騒がれていた時期で、病院に面会にいくことが制限されていたというのもありますが、一番は私の未熟さからくる反抗心が原因です。
もと住んでいた家が差し押さえにあい引っ越してから、私と養母は2人で住んでいたわけですが、その時の私は遅れてきた反抗期のように養母に反抗ばかりしていました。
そしてそのままの延長線上で養母が入院した後も会いに行きませんでした。
養母が死んだとき、私はノジマでお客様と洗濯機の商談をしていました。連絡が来て病院に着いたときには既に死んでいました。
入院中に会いに行かなかったので、死んだときの養母の顔は私の記憶にあった顔よりもずいぶん頬がこけていました。
病室に入ってその顔を見た瞬間一気に「俺はなにをしたんだ」と感じました。我に返ったような感覚でした。
私はもっと養母ともっと話したかったし、話すべきでした。このときの感覚は今でも思い返されます。
もし神の奇跡がおきて、生き返った養母と1分間話す機会が与えられるなら私の寿命を10年渡してもいいと思います。
逆にそんな奇跡はおこりえないからこそ、このときの私自身を「仕方がなかった」と消極的に肯定する気持ちもあります。
ただすべきことをしなかった私がいて、ただ愚かな私がいただけで、そこに善いも悪いもなかった、と思います。ただ思い出だけが美しくあってくれればいいと思います。
埼玉大学を去った後はノジマでフルタイムで働いていました。
25歳のときにやっぱりもう一度大学で勉強しなおしたいと思うようになりました。これは埼玉大学のときの数学サークルでの友人の影響が大きくありました。
友人らはその頃みな修士課程に進学していて、彼らと話をしていると「俺ももう一回大学に行きたい」という気持ちが湧いてきました。結果として放送大学に入りました。
27歳のときにノジマを辞めました。いつまでバイトのままこの仕事してるんだろうとずっと感じていましたが、ようやく辞めることにしました。結局20歳の時から7年も働いて、1年半ぐらいリーダーもやりました。
知り合いの紹介でSIerに社員として入りました。いい会社です。
いま私は28歳です。5日前の火曜日に養父が死に、今日葬式をしました。
養父の体調については都度連絡がきており長くないことが分かっていました。
養父が死んだときは特に後悔はありませんでした。彼なりに生きたと思います。
ただ新しい会社で1年目のボーナスとして入った16万円が葬式で全部なくなってしまいました。
18歳の時は家を持っていかれて、28歳になったらボーナスを持っていかれるんかいと笑いました。
これで養父も養母も死んで、葬式も終わりました。
私の家で起きた複雑な事情のすべてがひと段落したように思いました。役目を終えたような気持ちです。
複素解析をざっとまとめるー21(第4章の章末問題)
目次
章末問題
(1)曲線\(C\)を含む領域において\(f(z)\)は連続であり, \(C\)上で\(|f(z)|\le M\)とします. 曲線\(C\)の長さを\(l\)とすれば, 次の不等式が成立することを証明してください.
\begin{align}
\left| \int_{C}f(z)dz \right| \le \int_{C} |f(z)||dz|\le Ml \nonumber
\end{align}
(2)次の関数の積分値を求めてください.ただし積分路は円\(C:|z| = 2\)上を正の方向に1周するものとします.
(a)\(\displaystyle \frac{4z^{2} - z + 3}{(z - 1)^{3} }\)
(b)\(\displaystyle \frac{1}{z^{2} (z-1)}\)
(3)\(C\)は\(z = 1,z=2\)を内部に含む単純閉曲線とします. このとき, 次の積分値を求めてください.
\begin{align}
\int_{C} \frac{\sin (\pi z^{2}) + \cos (\pi z^{2} )}{(z-1)(z-2)}dz \nonumber
\end{align}
第10回 関数解析ゼミ(2018年7月1日)
シグマの構成
(|u(x)| le N)をみたす全ての(uin L^{1}(mathbb{R}^{n}))と(orall arepsilon > 0)に対し,
egin{align}
exists,vin C_{0}(mathbb{R}^{n})quad { m s.t.}quad onumber \
|u-v|_{L^{1}} < arepsilon quad mbox{かつ}quad |v(x)|le N onumber
end{align}
が成立する. ただし簡単のため, (u)は実数値とする.
Def
(Omega):空でない集合, (mathscr{F}subset mathfrak{P}(Omega))とする. このとき, (mathscr{F})がシグマ-集合体であるとは, (mathscr{F})が以下の3条件を満たすことである.
(1)(emptysetin mathscr{F})
(2)(Ain mathscr{F}Rightarrow A^{c}in mathscr{F})
(3)({A_{i}}^{infty}_{i = 1}subset mathscr{F}Rightarrow igcup ^{infty}_{i = 1}A_{i}in mathscr{F})
ただしある集合(A)の補集合を(A^{c})と表現している.
Def
(-infty < a_{1} < b_{i} < infty quad (i = 1,2cdots ,n))とする. このとき,
egin{align}
R = [a_{1},b_{1}) imes cdots imes [a_{n},b_{n}) onumber
end{align}
を基本長方形といい, この(R)について
egin{align}
|R| := (b_{1}-a_{a})cdots (b_{n}-a_{n}) onumber
end{align}
と定める. ({Q_{i}}^{infty}_{i = 1}:orall iin mathbb{N}, Q_{1})は基本長方形という族をタイル列という.
Def
(Asubset mathbb{R}^{n})とする. 以下のように定義する.
egin{align}
m^{ast}(A) &:= left.inf left{sum^{}_{i}|Q_{i},| ight|, {Q_{i}}:mbox{タイル列}, Asubset igcup^{infty}_{i = 1}Q_{i} ight} onumber \
m_{ast}(A) & := sup {m_{ast}(K), |, Ksubset A,K:mbox{コンパクト}} onumber \
mathfrak{m}^{ast} &:= {Asubset mathbb{R}^{n},|, m^{ast}(A)<infty,m_{ast}(A)= m^{ast}(A) } onumber
end{align}
Def
(Nin mathbb{N})に対し,
egin{align}
overline{Q_{N}} := [-N.N] imes cdots imes [-N,N] onumber
end{align}
と定義する. (Asubset mathbb{R}^{n})がLebesgue可測であるとは, 次を満たすことである.
egin{align}
Acap overline{Q_{N}} in mathfrak{m}^{ast} onumber
end{align}
さらに, (mathfrak{m} = {Asubset mathbb{R}^{n}, | , A:mbox{Lebesgue可測}})とすると, Lebesgue測度mとは次のような写像である.
egin{align}
m:mathfrak{m} o [0,infty]:Amapsto mathfrak{m}^{ast} (A) onumber
end{align}
(mathbb{Q},mathbb{R}^{n})は通常のEuclidの距離で位相空間と見なす.
FACT
*1:可測空間. (m):Lebesgue測度は次を満たす.
(1)(m(emptyset) = 0)
(2) ({A_{i}}_{i=1}subset mathfrak{m})かつ(A_{i}cap A_{j} = emptysetquad (orall i.orall j;i eq j))ならば, egin{align}
mleft( igcup ^{infty}_{i =1} A_{i} ight) = sum^{infty}_{i = 1} m(A_{i}) onumber
end{align}
*1:mathbb{R}^{n},mathfrak{m}
第9回 関数解析ゼミ(2018年6月27日)
1. 零集合
(mu)をLebesgue測度とする. (Esubset mathbb{R}^{n})が, (mu (E) = 0)となるとき, (E)を零集合という.
2. ほとんど到るところ
ある命題が, 零集合を除いて成立するとき, その命題はほとんど到るところで成立するという. almost everywhereの頭文字をとり記号で, ( ({ m a.e.}))と表す. たとえば, (mathbb{R}^{n})上で定義された2つの関数(u(x),v(x))が, (mathbb{R}^{n})上の零集合(E)を除いて(u(x) = v(x))となる場合,
egin{align}
u(x) = v(x)quad ({ m a.e.}) onumber
end{align}
と表現する.
3. Lebesgueの収束定理
(mathscr{L})を(mathbb{R}^{n})上のLebesgue可積分全体の集合とする. (u_{k}in mathscr{L}, (k = 1,2,cdots))が次の(1), (2)を満たすとする.
(1)(displaystyle lim_{k o infty}u_{k}(x) = u(x)quad ({ m a.e.}))
(2)(k)に依存しない関数(fin mathscr{L})が存在して, (|u_{k}(x)|le f(x)quad ({ m a.e.}))
このとき, 次が成立.
egin{align}
lim_{k o infty}int^{}_{mathbb{R}^{n}} u_{k}(x)dx = int^{}_{mathbb{R}^{n}}lim_{k o infty} u_{k}(x)dx =int^{}_{mathbb{R}^{n}}u_{k}(x)dx onumber
end{align}
4. 単調収束定理
(0le u_{1}(x) le u_{2}(x) le cdots,u_{k}in mathscr{L})とし, (displaystyle int^{}_{mathbb{R}^{n}}u_{k}(x)dx le M)であると仮定する. このとき
egin{align}
u(x) := lim_{k o infty}u_{k}(x) < infty quad ({ m a.e.}) onumber
end{align}
であり, (uin mathscr{L}), かつ, Lebesgueの収束定理を満たす.
pf of Th 2.5
(orall {u_{k}}subset L^{1}(Omega))を(displaystyle A = sum^{infty}_{k=1} |u_{k+1} - u_{k}|_{L^{1}} < infty )なるものをとる. (displaystyle v_{N}(x) = |u_{1}(x)| + sum^{N-1}_{k = 1} |u_{k+1}(x) - u_{k}(x)|)とする. (displaystyle v(x) = lim_{N o infty}v_{N}(x) le infty)と定めると, ({v_{N}})は非負値関数の増加列で,
egin{align}
int^{}_{Omega} v_{N}(x)dx = |v_{N}|_{L^{1}} &le |v_{N}|_{L^{1}} + sum^{N-1}_{k = 1} |u_{k+1}(x) - u_{k}(x) |_{L^{1}} onumber \
&le |u_{1}|_{L^{1}} + A < infty onumber
end{align}
. 単調収束定理より, (v(x) < infty quad ({ m a.e.}))であり, (vin L^{1}(Omega)). (v(x) < infty)なる(xin Omega)について, (displaystyle sum^{infty}_{k = 1} |u_{k+1}(x) - u_{k}(x)| < infty).
egin{align}
u(x) = lim_{N o infty} u_{N}(x) = u_{1}(x) + sum^{infty}_{k = 1} (u_{k+1}(x) - u_{k}(x)) onumber
end{align}
が存在する. また, (|u_{N}(x)| le v (x)). (三角不等式)
(|u(x)| le v(x))より(u in L^{1} (Omega)). また, (u_{N}(x) - u(x) o 0quad ({ m a.e.}))で, (|u_{N}(x) - u(x)|le 2v(x))で(2vin L^{1}(Omega)). Lebesgueの収束定理より, (|u_{N} - u|_{L^{1}} o 0quad (N o infty)) (Q.E.D.)
2.4 (L^{p}(Omega))
(pin mathbb{R}、1le p < infty) とする。
egin{align}
mathscr{L}^{p}(Omega) = left{u:Omega o mathbb{C};(mbox{可測}), | , left( int^{}_{Omega} |u(x)|^{p} dx ight)^{1/p} ight} onumber
end{align}
(|u|_{L^{p}})とおく。
(1 < p < infty, displaystyle rac{1}{p} + rac{1}{q} = 1)について、(uin mathscr{L}^{p}(Omega), vin mathscr{L}^{1}(Omega))ならば、(uvin mathscr{L}^{1}(Omega))かつ
egin{align}
left| int^{}_{Omega}u(x)v(x) dx ight| &le left( int^{}_{Omega}|u(x)|^{p} dx ight)^{1/p} left( int^{}_{Omega} |v(x)|^{q} dx ight)^{1/q} onumber \
&= |u|_{L^{p}} |v|_{L^{q}} onumber
end{align}
pf
(a,b > 0)について, (ab le p^{-1} a^{p} + q^{-1} b^{q})である. まず(|u|_{L^{p}} = 0)または(|v|_{L^{q}} = 0)のとき成立するので, (|u|_{L^{p}} eq 0)かつ(|v|_{L^{q}} eq 0)とする.
egin{align}
rac{1}{|u|_{L^{p}}|v|_{L^{q}}}left| int^{}_{Omega}u(x)v(x) dx ight| le rac{1}{|u|_{L^{p}}|v|_{L^{q}}}int^{}_{Omega}|u(x)||v(x)| dx onumber \
= int^{}_{Omega}rac{|u(x)|}{|u|_{L^{p}}}cdot rac{|v(x)|}{|v|_{L^{q}}} dx le int^{}_{Omega} left{ rac{1}{p}rac{|u(x)|^{p}}{|u|^{p}_{L^{p}}} + rac{1}{q} rac{|v(x)|^{q}}{|v|^{q}_{L^{q}}} ight}dx onumber \
= rac{1}{p}rac{1}{|u|^{p}_{L^{p}}} int^{}_{Omega} |u(x)|^{p} dx + rac{1}{q} rac{1}{|v|^{q}_{L^{q}}} int^{}_{Omega}|v(x)|^{q} dx = 1 onumber
end{align}
(Q.E.D.)
Th 2.9 Minkowskiの不等式
(u,vin mathscr{L}^{p}(Omega), 1le p < infty)ならば, (u + v in mathscr{L}^{p}(Omega))かつ,
egin{align}
left( int^{}_{Omega}|u(x) + v(x)|^{p}dx ight)^{1/p} le left( int^{}_{Omega}|u(x) |^{p}dx ight)^{1/p} + left( int^{}_{Omega}|v(x) |^{p}dx ight)^{1/p} onumber
end{align}
が成立する.
pf
(p = 1)は明らかに成立. (1 < p < infty)のとき, (p^{-1} + q^{-1} = 1)なる(q)をとる.
egin{align}
|u(x) + v(x)|^{p} &le (|u(x)| + |v(x)|)^{p} onumber \
&le 2^{p} max {|u(x)|, |v(x)|}^{p} onumber \
&le 2^{p} {|u(x)|^{p} + |v(x)|^{p}} onumber
end{align}
より, (u + v in mathscr{L}^{p}(Omega)). また,
egin{align}
int^{}_{Omega} |u(x) + v(x)|^{p} dx = int^{}_{Omega}|u(x) + v(x)|^{p-1}|u(x) + v(x)| onumber \
le int^{}_{Omega}|u(x) + v(x)|^{p-1}|u(x)| dx +int^{}_{Omega}|u(x) + v(x)|^{p-1}|v(x)| dx onumber \
le left( int^{}_{Omega}|u(x) + v(x)|^{q(p-1)} dx ight)^{1/q} left(int^{}_{Omega}|u(x)|^{p} dx ight)^{1/p} onumber \
+ left( int^{}_{Omega}|u(x) + v(x)|^{q(p-1)} dx ight)^{1/q} left(int^{}_{Omega}|v(x)|^{p} dx ight)^{1/p} onumber \
= left(int^{}_{Omega}|u(x) + v(x)|^{p} dx ight)^{1-1/p}(|u|_{L^{p}} + |v|_{L^{p}}) onumber
end{align}
(Q.E.D.)
(mathscr{L}^{p}(Omega))上の同値関係(sim)を
egin{align}
usim vquad overset{mathrm{def}}{Leftrightarrow}quad u = vquad ({ m a.e.}) onumber
end{align}
で定め,
egin{align}
L^{p}(Omega) = mathscr{L}^{p}(Omega)/sim onumber
end{align}
とおく.
Th 2.9などから, *1はノルム空間になる.
Th 2.10
(L^{p}(Omega))はBanach空間である.
Th 2.11
(L^{2}(Omega))は, *2について, (|u_{k} - u|_{L^{p}} o 0quad (k o infty))ならば,
egin{align}
exists,{u_{k(l)}}subset {u_{k}}:mbox{部分列}quad { m s.t.}quad onumber \
lim_{l o infty}u_{k(l)}(x) = u(x) quad ({ m a.e.}) onumber
end{align}
Ex 2.14
(|Omega| < infty)であり, (p_{1} < p_{2})ならば,
egin{align}
L^{p_{2}}(Omega) < L^{p_{1}}(Omega) quad (mbox{かつ}) onumber \
|u|_{L^{p1}(Omega)} le |Omega|^{(p_{2}-p_{1})/p_{1}p_{2}} |u|_{L^{p2}(Omega)} onumber
end{align}
Th 2.15
(orall u in L^{1}(mathbb{R}^{n}), orall arepsilon > 0)について
egin{align}
exists,vin C_{0}(mathbb{R}^{n})quad { m s.t.}quad onumber \
int^{}_{mathbb{R}^{n}}|u(x) - v(x)|dx < arepsilon onumber
end{align}
Cor 2.16
(1le p < infty )ならば, (C_{0}(mathbb{R}^{n}))は(L^{p}(mathbb{R}^{n}))で稠密.
pf
(uin L^{p}(mathbb{R}^{n}), arepsilon > 0 )をとる. 各(N = 1,2,cdots)に対し,
egin{align}
Omega _{N} = left{xin mathbb{R}^{n}, | , |x| le N quad { m and}quad |u(x)|le N ight} onumber
end{align}
とする. (u_{N} = chi_{Omega N},u)とすると, (u_{N}(x) o u(x)quad ({ m a.e.}))であって, (|u(x)- u_{N}(x)|^{p}le |u(x)|^{p})より, Lebesgueの収束定理から, (|u - u_{N}|_{L^{p}} o 0)となる*3. Th 2.15より,
egin{align}
exists,v' in C_{0}(mathbb{R}^{n})quad { m s.t.}quad onumber \
|u_{N}- v'|_{L^{1}}le left( rac{arepsilon}{2} ight)^{p}(2N)^{1-p} onumber
end{align}
ここで,
egin{align}
v(x) =
egin{cases}
v'(x) &(|v'(x)| le N) \
Nv'(x)/|v'(x)| & (|v'(x)| ge N)
end{cases}
onumber
end{align}
とすれば, (|v(x)|le N,vin C_{0}(mathbb{R}^{n}))で, (|u_{N}-v|_{L^{1}}le |u_{N} - v'|_{L^{1}})
(Q.E.D.)
Th 2.13
({u_{k}}subset L^{p}(Omega), uin L^{p}(Omega
*3:chi_{Omega N})は集合(Omega _{N})の定義関数である). ゆえに, (exists,Nin mathbb{N}quad { m s.t.}quad |u - u_{N}|_{L^{p}} < arepsilon/2 )たる(N)がとれる. また, (|u_{N}(x)|le N)であって, ({xin mathbb{R}^{n} , | , u_{N}(x) eq 0}subset Omega _{N});(Omega _{N})は測度有限集合であるから, (u_{N}in L^{1}(mathbb{R}^{n}
第8回 関数解析ゼミ(2018年6月20日)
関数の台とする.
\begin{align}
K_{u} = \{x\in \Omega\, | \, u(x)\neq 0\} \nonumber
\end{align}
のにおける閉包を
の台(support)といい,
と表す.
で
が
のコンパクト集合であるもの全体を
と表す.
2.3 を
の可測集合とし,
とする.
上の可積分関数全体の集合を
と表す.
は線形空間である.
上のノルムを
\begin{align}
\|u\| = \|u\|_{\mathscr{L}^{1}} = \int^{}_{\Omega}|u(x)|dx \quad (u\in \mathscr{L}^{1}(\Omega)) \nonumber
\end{align}
と定義する. において,
であるものとみなすことによりできる空間を
と表す.
はノルム空間になる.
は
ならば,
という
上の同値関係で
の元を類別したときの同値類全体の集合である.
Th 2.5はBanach空間である.
Lem 2.6:ノルム空間とする. 次の(1),(2)は同値な命題.
(1)は完備
(2):任意の
の点列について
ならば,
は
で収束する
pf of Lem 2.6:
のCauchy列とし, その部分列
をとる.
自然数を
となるようにとり, 次に
を
となるように選ぶ. すると
となり
である. 部分列
は,
に収束する. ここで一般にCauchy列
の部分列が
に収束するなら
自身も
に収束する. よって, この場合も
は
内に収束する.
:Cauchy列とする.
を満たす. 部分列
が
に収束するなら
を
かつ
となるようにとれる. すると
に対して,
\begin{align}
\|v_{m}-u\| &\leq \|v_{m}-v_{l(k)}\| + \|v_{l(k)}-v\| \nonumber \\
&< \varepsilon/2 +\varepsilon/2 = \varepsilon \nonumber
\end{align}
となり, も
に収束する. (Q.E.D.)
\begin{align}
\sum^{\infty}_{k = 1}\|u_{k+1}-u_{k}\| \lt \infty \nonumber
\end{align}
を満たす点列は明らかにCauchy列. 全てのCauchy列が収束列であることは完備性の定義そのもの. (Q.E.D.)
第6回 環論ゼミ(2018年6月2日)
Review
\(A\):環, \(\mathfrak{p}\):イデアルとする. このとき, 次の(1),(2)は同値な命題.
(1)\(\mathfrak{p}\)は素イデアル
(2)\(A/\mathfrak{p}\)は整域
Prop 1.7.3
\(A\):環, \(\mathfrak{m}\):イデアルとする. このとき, 次の(1),(2)は同値な命題.
(1)\(\mathfrak{m}\)は極大イデアル
(2)\(A/\mathfrak{m}\)は体
Review終
ここで体ならば整域なので, 次の系が導かれる.
Prop 1.7.5
\(\phi:A\to B\):環準同型, \(\mathfrak{q}\subset B\):素イデアル, \(\mathfrak{p} = \phi^{-1}(\mathfrak{q})\)とする. このとき, 次の(1),(2)が成立する.
(1)\(A/\mathfrak{p}\)は\(B/\mathfrak{q}\)の部分環
(2)\(\mathfrak{p} = \phi^{-1}(\mathfrak{q})\)は素イデアル
pf
(1)\(\pi:B\to B/\mathfrak{q}\)を自然な準同型とすると, \(\pi\circ \phi:A\to B/\mathfrak{q}\)の核は,
\begin{align}
\phi^{-1}(\ker (\pi)) = \phi^{-1}(\mathfrak{q}) = \mathfrak{p} \nonumber
\end{align}
環の準同型定理より, \(A/\mathfrak{p}\cong {\rm Im}(\pi \circ \phi)\subset B/\mathfrak{q}\)
(Q.E.D.)
(2)\(\mathfrak{q}\)が素イデアルより, \(B/\mathfrak{q}\)は整域. Prop 1.3.8: 整域の部分環っは整域, より, \(A/\mathfrak{p}\)も整域. よって\(\mathfrak{p}\)は素イデアル.
(Q.E.D.)
Prop 1.7.6
\(A\):環, \(\mathfrak{p}\subset A\):素イデアルとする. \(A\)上の\(n\)変数多項式\(A[x] = A[x_{1},\cdots,x_{n}]\)について, \(\mathfrak{p}A[x]\)は\(A[x]\)の素イデアルであり,
\begin{align}
A[x]/\mathfrak{p}A[x] \cong (A/\mathfrak{p})[x] \nonumber
\end{align}
が成立する.
pf
Prop 1.4.12より,
\begin{align}
A[x]/\mathfrak{p}A[x] \cong (A/\mathfrak{p})[x] \nonumber
\end{align}
である. \(A/\mathfrak{p}\)は明らかに整域であるから, Cor1.2.23より, \(A/\mathfrak{p}[x]\)も整域. よって\(A[x]/\mathfrak{p}A[x]\)も整域. よって\(\mathfrak{p}A[x]\)が素イデアル.
(Q.E.D.)
Prop 1.7.11
\(A\):環, \(\mathfrak{p}\subset A\):素イデアル, \(I_{1},\cdots,I_{n}\subset A\):イデアルとする. このとき,
\begin{align}
\bigcap^{n}_{k = 1} I_{k}\subset \mathfrak{p}\Rightarrow \exists\,m(1\le m\le n)\{I_{m}\subset \mathfrak{p}\} \nonumber
\end{align}
が成立する.
証明は簡単すぎるので略.
Prop 1.7.12
\(I\subset \mathfrak{p}\):\(A\)のイデアル. このとき, 次の(1),(2)は同値な命題.
(1)\(\mathfrak{p}\)は\(A\)の素イデアル
(2)\(\mathfrak{p}/I\)が\(A/I\)の素イデアル
pf
\( (A/I)(\mathfrak{p}/I)\cong A/\mathfrak{p}\)を考えれば分かる.
Th 1.7.13 代数学の基本定理
\(n\in \mathbb{N}\setminus \{0\}\)\(, a_{1},\cdots,a_{n}\in \mathbb{C}\), \(f(x) = x^{n} + a_{1}x^{n-1}+\cdots+a_{n}\in \mathbb{C}[x]\)に対し, \(\alpha_{1},\cdots,\alpha_{n}\in\mathbb{C}\)が存在し, \(f(x) = (x-\alpha_{1})\cdots(x-\alpha_{n})\)となる.
Prop 1.7.15
\(A\):環, \(I\subsetneq A\):イデアルとする. このとき\(I\)を含む\(A\)の極大イデアルが存在する. 特に\(a\in A\)が単元でないなら, \(a\)を含む極大イデアルが存在する.
pf
\(X\)を, \(I\)を含む\(A\)のイデアルで\(A\)自身でないもの全体の集合とする. \(X\)上の任意の2元に対し, 順序関係を\(J_{1}\subset J_{2}\Leftrightarrow J_{1}\le J_{2}\)と定義する. \(X\)がZornの補題の条件を満たすことを示す. すなわち, \(X\)の任意の元\(x\)に対して, 極大元\(\overline{x}\)が存在して, \(x\le \overline{x}\)となることを示す. 一応, Zornの補題を載せておく.
順序集合は, 任意の全順序部分集合\(A\subset X\)が上に有界のとき帰納的順序集合という.
Th Zornの補題
\(X\)を帰納的順序集合とする. このとき任意の元\(x\in X\)に対し, \(X\)の極大元\(\overline{x}\)であって, \(x\le \overline{x}\)となるものが存在する.
\(Y\subset X\)を全順序部分集合とする. \(J_{0} = \bigcup_{J\in Y}J\)とおく. \(x,y\in J_{0}\)なら\(x\in J_{1},y\in J_{2}\)となる\(J_{1},J_{2}\in Y\)が存在するが, 仮定より, \(J_{1}\subset J_{2}\)または, \(J_{2}\subset J_{1}\)の一方が成立する. よって\(x,y\in J_{1}\)または\(x,y\in J_{2}\)である. ここで\(J_{1},J_{2}\)はイデアルなので, \(x\pm y\in (J_{1}\)または\(J_{2}\))となる. 同様の理由で, \(a\in A,x\in J_{0}\)なら, \(ax\in J_{0}\)となり, \(J_{0}\)が\(A\)のイデアルだと分かった. \(I\subset J_{0}\)は明らか, ここでもし\(J_{0}=A\)ならば\(1\)を含むイデアル\(J\in Y\)が存在して\(J=A\)となってしまい矛盾である. よって\(J_{0}\in X\). 任意の\(J\in Y\)に対して\(J\le J_{0}\)が成立する, すなわち, \(X\)の任意の全順序部分集合は\(X\)に上界をもつ. Zornの補題により\(X\)は極大元\(J\)をもつ. よって\(J\)は極大イデアルである.
もし, \(a\)が単元でないなら, \(I = (a) \neq A\)であるため, \((a)\)を含む極大イデアルが存在する. \(a\)がその極大イデアルに属することは明らかである.
(Q.E.D.)
複素解析をざっとまとめるー20(複素関数の積分その5)
目次
留数定理
留数定理について話しましょう. 留数定理というのは, 「留数」という数を使って, 積分値が求められるよ!という定理です.
私たちが求めたい積分は, 関数が定義されている領域
内に, 特異点が存在する場合のものです. だってすべてで正則な領域だったらコーシーの積分定理から, すぐに積分値が
だとわかってしまいますからね.
ではまず「留数」について話しましょう. 「留数」を理解するには, 「ローラン展開」を理解しなければいけません. 「ローラン展開」とは「テイラー展開」の一般化です. いきましょう.
テイラー展開
複素関数についても, 実関数のときと同様にテイラー展開が定義できます. ただし, その場合には
が領域
の全体で正則である必要があります.
この条件さえ満たせば, あとは実関数の場合のテイラー展開と同様です.
領域
について, 関数
\begin{align}
f(z) &= f(a) + \frac{f^{(1)}(a)}{1!}(z-a)^{1}+\frac{f^{(2)}(a)}{2!}(z-a)^{2}+\cdots +\frac{f^{(n)}(a)}{n!}(z-a)^{n}+\cdots \nonumber \\
&= \sum^{\infty}_{n = 0}\frac{f^{(n)}(a)}{n!}(z-a)^{n} \nonumber
\end{align}
この級数展開を点
また, 点
\begin{align}
f(z) &= f(0)+\frac{f^{(1)}(0)}{1!}z^{1}+\frac{f^{(2)}(0)}{2!}z^{2}+\cdots +\frac{f^{(n)}(0)}{n!}z^{n}+\cdots \nonumber \\
&= \sum^{\infty}_{n = 0}\frac{f^{(n)}(0)}{n!}z^{n} \nonumber
\end{align}
テイラー展開が成立する証明は第5章にまわします. このように正則関数がベキ級数に展開できるという性質を正則関数の解析性とよびます.
有名な関数のマクローリン展開を示しておきます.
\begin{align}
\frac{1}{1-z} &= 1 + z^{1} + z^{2} + \cdots + z^{n} + \cdots \quad ( |z |< 1) \tag{1} \\
e^{z} &= 1 + \frac{z^{1}}{1 !} + \frac{z^{2}}{2 !} + \cdots + \frac{z^{n}}{n!} + \cdots \tag{2} \\
\mathrm{Log}\, (1 + z) &= \frac{z^{1}}{1} - \frac{z^{2}}{2} + \frac{z^{3}}{3} + \cdots + \frac{( -1 )^{n-1}}{n} z^{n} + \cdots \tag{3} \\
\cos z &= 1 - \frac{z^{2}}{2 !} + \frac{z^{4}}{4 !} - \cdots + \frac{(-1)^{m}}{(2m) !} z^{2m} + \cdots \tag{4} \\
\sin z &= z^{1} - \frac{z^{3}}{3 !} + \frac{z^{5}} {5 !} - \cdots + \frac{(-1)^{ m - 1 } } {(2m-1) ! } z^{2m-1} + \cdots \tag{5}
\end{align}
(1)は幾何級数と呼ばれる級数展開です.
ローラン展開
テイラー展開は正則な点の周りで関数を展開するものでした. これに対し, ローラン展開は特異点の周りでも関数を展開できるようになったものです.
領域
\begin{align}
D:r_{1} \le |z-a| \le r_{2} \nonumber
\end{align}
である. 関数
領域
\begin{align}
f(z) = &\cdots + \frac{a_{n}}{(z-a)^{n}} + \cdots + \frac{a_{2}}{(z-a)^{2}}+ \frac{a_{1}}{(z-a)^{1}} \nonumber \\
& + b_{1}(z-a)^{0} + b_{2}(z-a)^{1}+\cdots +b_{n}(z-a)^{n}+\cdots \nonumber \\
= &\sum^{\infty}_{k = 1}a_{k}\frac{1}{(z-a)^{k}} + \sum^{\infty}_{k = 0}b_{k}(z-a)^{k} \tag{1}
\end{align}
ただし,
\begin{align}
a_{k} &= \frac{1}{2\pi i}\oint^{}_{C}f(z)(z -a)^{ k - 1 }dz \nonumber \\
b_{k} &= \frac{1}{2\pi i}\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{(z -a)^{ k + 1 } }dz \nonumber
\end{align}
で定義される. 積分路は単純閉曲線
この場合, 式
1つの数式で表すと
\begin{align}
f(z) &= \sum^{\infty}_{n = -\infty}c_{n}(z-a)^{n} \nonumber \\
c_{n} &= \frac{1}{2\pi i}\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{(z - a)^{n+1}}dz \nonumber
\end{align}
となる.
これが, ローラン展開です. テイラー展開の場合にはの正のベキを考えましたが, ローラン展開では負のベキまで考えます. 係数が
の部分, すなわち正のベキの部分はテイラー展開と同じですね. 一方, 係数が
の部分, すなわち負のベキの部分をローラン展開の主要部と呼びます.
関数が点
で正則な場合,
の負のベキの係数
は, コーシーの積分定理より
\begin{align}
a_{k} &= \frac{1}{2\pi i}\oint^{}_{C}f(z)(z -a)^{ k - 1 }dz = 0 \nonumber
\end{align}
となります. よって主要部が全部消えてなくなるので, ローラン展開はテイラー展開と一致します.テイラー展開の一般化と言ったのはこういうことです.
では実際にローラン展開をしてみましょう. わざわざ積分をしなくても, 有名な級数展開を利用してローラン展開できることが多いです.
次の関数を点
(1)
(2)
例題解答7
(1)
\begin{align}
e^{z} &= 1 + \frac{z^{1}}{1!} + \frac{z^{2}}{2!}+\cdots + \frac{z^{n}}{n!}+\cdots \nonumber
\end{align}
より,
\begin{align}
f(z) &= \frac{1}{z^{3}}\left(1 + iz + \frac{(iz)^{2}}{2!}+\frac{(iz)^{3}}{3!}+\frac{(iz)^{4}}{4!}+\frac{(iz)^{5}}{5!}+\cdots \right) \nonumber \\
&= \frac{1}{z^{3}} + \frac{i}{z^{2}} - \frac{1}{2!}\cdot\frac{1}{z} - \frac{i}{3!}+\frac{z}{4!} + i\frac{z^{2}}{5!} + \cdots \nonumber
\end{align}
となります.
(2)
\begin{align}
f(z) &= \frac{1}{z}\cdot\frac{1}{1-(-z)} \nonumber \\
&=\frac{1}{z}\{1 + (-z) + (-z)^{2} + (-z)^{3}+ \cdots\} \nonumber \\
&= \frac{1}{z}-1+z -z^{2} + \cdots \nonumber
\end{align}
とローラン展開できます.
\begin{align}
f(z) &= \frac{1}{z}\cdot \frac{1}{z\left(1+ \frac{1}{z} \right)} \nonumber \\
&= \frac{1}{z^{2}}\cdot \frac{1}{1-\left(-\frac{1}{z} \right)} \nonumber \\
&= \frac{1}{z^{2}}\left\{1 +\left(-\frac{1}{z} \right) + \left(-\frac{1}{z} \right)^{2}+\left(-\frac{1}{z} \right)^{3}+\cdots\right\} \nonumber \\
&= \frac{1}{z^{2}} - \frac{1}{z^{3}}+\frac{1}{z^{4}}-\frac{1}{z^{5}}+\cdots \nonumber
\end{align}
とローラン展開できます.
以前, 「特異点は3種類に分類できる」という話をしたのを覚えていますか?
関数をローラン展開したときの主要部で特異点を分類できるのです.
関数
(1)主要部が存在しない場合, 特異点
(2)主要部は存在するが,
\begin{align}
f(z) = \frac{a_{-k} }{z^{ k } } &+ \frac{a_{-( k - 1 ) } }{z^{ k - 1 } } +\cdots \frac{a_{-1} }{z}\nonumber \\
& +a_{0} + a_{1}z^{1} + \cdots \nonumber
\end{align}
とローラン展開できるとき,
(3)主要部が存在して, 無限級数の場合,
(1)の除去可能特異点とは, その名の通り除去可能な特異点です.
どういうことかというと, の値を適当に定義することで, 点
でも
が正則であるようにできるということです. 実際, (1)の場合のローラン展開は
\begin{align}
f(z) &= \sum^{\infty}_{n = 0}a_{n}(z-c)^{n} \nonumber \\
a_{n} &= \frac{1}{2\pi i}\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{(z-c)^{n+1}}dz \nonumber
\end{align}
なので,
\begin{align}
f(c) = \frac{1}{2\pi i}\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{z-c}dz \nonumber
\end{align}
と定義することで, は
を含む領域でも正則になります.
留数定理
さて, 留数定理の話にいきましょう. 留数定理は, ローラン展開を利用して積分値が求められるというものです.
単純閉曲線の内部に
個の特異点
があるとします. また,
を, それぞれ点
を中心として, 他の特異点を円周および内部に含めない程度の半径を持った小円としましょう. このとき, 単純閉曲線
の正の向きに沿った複素線積分
\begin{align}
\oint^{}_{C}f(z)dz \nonumber
\end{align}
を考えます. ただし関数は特異点
を除いて単純閉曲線
の円周および内部で正則とします.
(ア)積分路の変形則より,
\begin{align}
\oint^{}_{C}f(z)dz = \sum^{N}_{j =1}\oint^{}_{C_{j}}f(z)dz \nonumber
\end{align}
です. 両辺にを掛けて,
\begin{align}
\frac{1}{2\pi i}\oint^{}_{C}f(z)dz = \frac{1}{2\pi i}\sum^{N}_{j =1}\oint^{}_{C_{j}}f(z)dz \nonumber
\end{align}
となります.
(イ)点まわりの
のローラン展開を,
\begin{align}
f(z) = \sum^{\infty}_{n = -\infty}a_{n}^{(j)}(z-c_{j})^{n} \nonumber
\end{align}
とすると, 円に沿った積分は,
\begin{align}
\frac{1}{2\pi i}\oint^{}_{c_{j}}\sum^{\infty}_{n=-\infty}a_{n}^{(j)}(z-c_{j})^{n}dz \nonumber \\
= \sum^{\infty}_{n=-\infty}a_{n}^{(j)}\oint^{}_{c_{j}}(z-c_{j})^{n}\frac{dz}{2\pi i} \nonumber
\end{align}
となります. 本来は, と
の順序を交換する際には関数の一様収束性を確かめなければなりません. しかし上式の被積分関数のようなベキ級数関数については, 第5章のところで収束性を論じますので, 今回は一様収束性の確認はパスします. あ, でも皆さんが普段積分する場合にはちゃんと確かめなければダメですよ!
(ウ)以前紹介した基本公式1を覚えていますか?
\begin{align}
\int^{}_{C}(z-\alpha)^{m}dz =
\begin{cases}
0 &(m \neq -1)\\
2\pi i & (m = -1)
\end{cases}
\nonumber
\end{align}
この基本公式1を踏まえて考えれば, 先ほどの積分
\begin{align}
\sum^{\infty}_{n=-\infty}a_{n}^{(j)}\oint^{}_{c_{j}}(z-c_{j})^{n}\frac{dz}{2\pi i} \nonumber
\end{align}
はに関する数式しか残らないのが分かりますか?すなわち,
の項のみが残るということです. 特異点
周りの積分すべてについてこれが言えるので求めたい積分値は
\begin{align}
\sum^{N}_{j=1}a_{-1}^{(j)} \nonumber
\end{align}
で求まります.
さぁ, なんとの総和で積分値が求まることが分かってしまいました!そもそも
とは,
をローラン展開したときの主要部の係数のひとつでした. しかし, 上の結果から, ローラン展開の他の係数よりも
は特別で重要な存在であることが分かっていただけたでしょうか. 係数
には特別な名前が与えられています.
\begin{align}
f(z) = \sum^{\infty}_{n = -\infty}a_{n}(z-c)^{n} \nonumber
\end{align}
のようにローラン展開できるとき, 特に
\begin{align}
a_{-1} = \underset{z=c}{\mathrm{Res}}\,f(z)dz \nonumber
\end{align}
と表す.
そして留数を用いて積分値が求められるというのが, 留数定理です.
「2人の生産者の一方が, 2つの財に対して比較優位を持てない」こと
目次
普段数学書を読むことが多いのですが, 数学書というのは大抵, 定理や法則に証明がついています. しかし経済学の入門書を読むと, 法則に対して数学的な証明が書かれているということはほぼありません. 「なんで証明ないんじゃい」とイライラするので書いておきます.
証明
証明
生産者さんは単位時間あたりに財
を量
, 財
を量
だけ生産可能であり,
生産者さんは単位時間あたりに財
を量
, 財
を量
だけ生産可能であるとする.
ただし, 財の生産量は正の実数かつ,
と
は同時には成立しないとする.
財の単位量あたりの機会費用は下表の通り.

いま, 仮にさんが財
の両方に対して比較優位であるとすると,
\begin{align}
\begin{cases}
\dfrac{y_{a}}{x_{a}} < \dfrac{y_{b}}{x_{b}} &(1) \\
\dfrac{x_{a}}{y_{a}} < \dfrac{x_{b}}{y_{b}} &(2)
\end{cases}
\nonumber
\end{align}
の2式が同時に成立することになる. 式(1)の逆数をとると, これを式(2)に代入すると
\begin{align}
\frac{x_{b}}{y_{b}} > \frac{x_{a}}{y_{a}} > \frac{x_{b}}{y_{b}} \nonumber
\end{align}
となる. これはありえない. 故にさんは財
に対して, 両方に同時に比較優位ではありえない. 同様の手順で
さんに対してもこれが言える.
証明終
説明
証明を書きましたが, 一応比較優位(およびその周辺の概念)についても解説をしておきたいと思います.
複数の財を生産する複数の生産者がいる場合を考えましょう. それぞれの生産者がある期間内で出せる生産量にはバラつきがあるのが普通です. さて, 複数の生産者の中で, 誰が財をより低い費用で生産できるでしょうか. 経済学はこういうことを気にするわけです.
この問いには2つの方向から回答ができます. 1つ目はある財を生産するのに, 各生産者が必要とする投入を比較する方法です. 投入というのは, 例えば原材料であるとか労働時間のような生産のために必要なもののことです. 当然, 同じものを同じ量だけ作るのに, より少ない投入量で済む生産者の方が生産性は高いです. 私たちは, この「ある財を生産するのに, より少ない投入量しか必要としない」生産者について, その財の生産に関して「絶対優位を持っている」と言っています.
もう1つは機会費用の概念を利用した回答です. 機会費用という言葉は知っている人も多いでしょう. ある行動を選択したために, 選択するのを諦め放棄してしまったもののことです. 大学の授業でよく言われる例としては,
「君は高校を卒業し, 大学へ進学することを選び, 大学生として生活している. しかし, 進学せずに就職するという選択も可能だった. もし就職したら年収200万円を得ていたかもしれない. その200万円が君の大学1年間の機会費用だ. 」
というのがありますね. 機会費用まで考えて利潤を計算するのは, 経済学ではよくあることです. (細かいようですが, 経済学では「利益」と「利潤」は違う意味です. )
この機会費用を利用して得られる概念が比較優位です. ある生産者, あるいは国などが比較優位を持つというのは, その財を生産することの機会費用を他の財で測った数値が, 他の生産者あるいは国よりも低い, ということです. 言葉だとよく分かりませんので, 例を出して考えましょう.
今, 国と
国があるとします.
国よりも
国の方が, 科学技術力が上であり, 高い生産力を持っているとしましょう. この両国のじゃがいもとコンピュータの生産について考えていきます.
国は, じゃがいもの生産に集中した場合1年間で500tのじゃがいもを生産でき, コンピュータの生産に集中した場合1年間で30万台生産できるとします. 一方
国はじゃがいもに集中すれば1000t, コンピュータに集中すれば100万台を同じく1年間で生産できるとします. 状況を表にまとめると次のようになります.

ただし状況を簡単にするために, 両国がじゃがいもとコンピュータを生産するのに必要な投入の量は同じだとします. すなわち, じゃがいも1個, またはコンピュータ1台をどちらの国が生産しても同じだけの時間や原材料や労働力が必要になるということです. いまは, 生産に必要な時間を基準に考えていきます.
さて, じゃがいも1tを生産することの機会費用はどれくらいでしょうか. これはすなわち, じゃがいも1tを生産するのに使った時間で, コンピュータはどれだけ生産できるか, ということです. 国は, 1年間でじゃがいもが500t, コンピュータが30万台生産できるわけですから, 両方の生産量を
で割ります. するとコンピュータは
万台となります. これが
国がじゃがいも1tを生産することの機会費用です. 一方,
国は, 1年間でじゃがいもが1000t, コンピュータが100万台生産できるわけですから, 両方の生産量を
で割ります. すると, コンピュータは
万台となります. これが
国がじゃがいも1tを生産することの機会費用です. 同様の手法で, コンピュータ1万台を生産することの機会費用を求め, 表にまとめたものが次です.

この結果から, 次のようなことが言えます. 国はじゃがいもを1t生産するために, コンピュータの生産を
万台放棄する. 一方,
国はじゃがいも1tを生産するために, コンピュータの生産を
万台放棄する.
と
では,
の方が少ないですね. すなわち, じゃがいも1tを生産するときに手放すコンピュータの生産は
国のほうが少ないということです. この場合, じゃがいもの生産に関して
国は比較優位を持つ, といいます.
同様にしてコンピュータの生産に関する比較優位を考えましょう. 国はコンピュータ1万台を生産するために, じゃがいもの生産を
t放棄する. 一方,
国はコンピュータ1万台を生産するために, じゃがいもの生産を
t放棄する.
と
だったら,
の方が少ないですね. よってコンピュータの生産に関して
国は比較優位を持っていると言えます. 比較優位の概念が分かっていただけましたか?
もし国と
国がじゃがいもとコンピュータを貿易するなら, それぞれの国が比較優位をもつ財の生産に特化して貿易したほうが, 全体的な生産量が増えることが分かります. 経済全体のパイを広げる、なんて言い方をよくしますね. しかし, この比較優位というのは, 19世紀初頭にデヴィッド・リカードにより導入された, 貿易理論の初歩の初歩に当たる概念で, これだけで貿易を分析するというのは無理です. 詳しくは国際経済学の本を (貿易編と金融編に分かれている場合は, 貿易編を)読んでください. 僕もいま頑張ってクルーグマンの『国際経済学 理論と政策』を読んでいるところです. がんばりましょう.
複素解析をざっとまとめるー19(複素関数の積分その4)
目次
コーシーの積分公式
コーシーの積分公式は, コーシーの積分定理を出発点として導かれる重要な定理たちの1つです.
複素関数
\begin{align}
f(a) = \frac{1}{2\pi i}\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{z -a}dz \nonumber
\end{align}
私は「積分定理」より, こっちの「積分公式」の方が好きです. この定理はとても不思議です. まず点というのは当然
の内部の点です. 一方, 右辺の周回積分は
に沿ったものですから,
というのは
上の点です. そしてその2つの点についての情報が等式で結ばれているのです. 内部の点に関する情報
を知るには, 周りの円に沿って積分した値を求めればいい, これがこの定理から分かることです. 証明を示しましょう.
証明
とすると, これは領域
の中に特異点
を持ちます. しかし, それ以外の点では正則なので, 点
を中心とする半径
の小円
を考えると, 変形則2より,
\begin{align}
\oint^{}_{C}g(z)dz = \oint^{}_{C_{a}}g(z)dz \nonumber
\end{align}
となります. ここで, 上の点は, パラメータ
とオイラーの公式を用いて,
\begin{align}
\varphi(t) = a + re^{it}\quad (t:0\to 2\pi) \nonumber
\end{align}
と表せます. これを実際に代入すると,
\begin{align}
\int^{2\pi}_{0}g(\varphi(t))\frac{d\varphi(t)}{dt}dt &= \int^{2\pi}_{0}\frac{f(a + re^{it})}{a + re^{it}-a}\cdot ire^{it}dt \nonumber \\
&= i\int^{2\pi}_{0}f(a + re^{it})dt \nonumber
\end{align}
となります. ここで, の半径
の値は任意であり, どんなに小さな値でもよいため,
の極限を考えると, 上式は
\begin{align}
i\int^{2\pi}_{0}f(a + re^{it})dt &= i\int^{2\pi}_{0}f(a )dt \nonumber \\
&= if(a)\int^{2\pi}_{0}dt = 2\pi if(a) \nonumber
\end{align}
となります. よって,
\begin{align}
\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{z-a}dz &= 2\pi if(a) \nonumber \\
\therefore \quad f(a) &= \frac{1}{2\pi i}\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{z -a}dz \nonumber
\end{align}
が成立します.
証明終
次にコーシーの積分公式の一般形であるグルサの定理を説明します.
グルサの定理
グルサの定理はコーシーの積分定理の一般形と言ってますが, つまりこういうことです.
複素関数
\begin{align}
f^{(n)}(a) = \frac{n!}{2\pi i}\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{(z -a)^{n+1}}dz \nonumber
\end{align}
とは,
の
階導関数を表します. この定理すごくないですか?積分したら導関数が求まるんですよ?すごいよね. 証明もそう難しくありません.
証明
最初に積分公式の含まれる複素定数を複素変数
に置き換えます.
\begin{align}
f(w) = \frac{1}{2\pi i}\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{z-w}dz \nonumber
\end{align}は
上の点であり,
は
の内部の点なので,
となることはありません. よって関数
は
の内部で正則な関数です. そのため, 積分公式の両辺を, 変数
について微分することができます. すると,
\begin{align}
\frac{d}{dw}f(w) = \frac{1}{2\pi i}\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{(z-w)^{2}}dz \nonumber
\end{align}
となります. 先ほどと同様の理由で, 関数も
の内部で正則な関数であり, 再び
について微分が可能です. もう1度
で微分すると,
\begin{align}
f^{(2)}(w) = \frac{2}{2\pi i}\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{(z-w)^{3}}dz \nonumber
\end{align}
となります. 同じ作業を何度も繰り返すことで, 帰納的に一般形
\begin{align}
f^{(n)}(w) = \frac{n!}{2\pi i}\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{(z-w)^{n+1}}dz \nonumber
\end{align}
が得られます.
証明終
さてでは, これらの定理を利用して積分値を求めてみましょう.
(1)
(2)
例題7(グルサの定理)
(1)
(2)
例題解答6
(1)
\begin{align}
\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{z}dz &= 2\pi i f(0) \nonumber \\
&= 2\pi i\cos 0 = 2\pi i \nonumber
\end{align}
(2)部分分数分解の発想から,
\begin{align}
\frac{e^{z}}{z^{2}-1} = \frac{1}{2}\left(\frac{e^{z}}{z-1} + \frac{e^{z}}{z+1}\right) \nonumber
\end{align}
が分かります. まずは閉曲線の場合の変形則を用いて,
\begin{align}
\oint^{}_{C}\frac{e^{z}}{z^{2}-1}dz = \oint^{}_{C_{1}}\frac{e^{z}}{z^{2}-1}dz +\oint^{}_{C_{2}}\frac{e^{z}}{z^{2}-1}dz \nonumber
\end{align}
とします. ただし
\begin{align}
\oint^{}_{C_{1}}\frac{e^{z}}{z^{2}-1}dz &= \oint^{}_{C_{1}} \frac{1}{2} \left( \frac{e^{z}}{z-1} + \frac{e^{z}}{z+1} \right) dz \nonumber \\
&= \frac{1}{2} \left( \oint^{}_{C_{1}} \frac{e^{z}}{z-1} dz + \oint^{}_{C_{1}}\frac{e^{z}}{z+1} dz \right) \nonumber \\
&=\frac{1}{2} \oint^{}_{C_{1}} \frac{e^{z}}{z-1}dz \tag{1}
\end{align}
同様にして,
\begin{align}
\oint^{}_{C_{2}}\frac{e^{z}}{z^{2}-1}dz &= \oint^{}_{C_{2}}\frac{1}{2}\left(\frac{e^{z}}{z-1} + \frac{e^{z}}{z+1}\right)dz \nonumber \\
&= \frac{1}{2}\oint^{}_{C_{2}}\frac{e^{z}}{z+1}dz\tag{2}
\end{align}
となります. 式(1),(2)より
\begin{align}
\oint^{}_{C}\frac{e^{z}}{z^{2}-1}dz =\frac{1}{2}\left( \oint^{}_{C_{1}}\frac{e^{z}}{z-1}dz+\oint^{}_{C_{2}}\frac{e^{z}}{z+1}dz\right) \nonumber
\end{align}
\begin{align}
\oint^{}_{C_{1}}\frac{f(z)}{z-1}dz &= 2\pi i f(1) \nonumber \\
&= 2\pi i e \nonumber
\end{align}
\begin{align}
\oint^{}_{C_{2}}\frac{f(z)}{z+1}dz &= 2\pi i f(-1) \nonumber \\
&= 2\pi i e^{-1} \nonumber
\end{align}
となります. よって答えは
\begin{align}
\frac{1}{2}(2\pi i e + 2\pi i e^{-1}) = \pi i (e-e^{-1}) \nonumber
\end{align}
例題解答7
(1)
\begin{align}
\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{(z - 0)^{2}}dz &= \frac{2\pi i}{1!}f^{(1)}(0) \nonumber \\
&= 2\pi i\cos 0 = 2\pi i \nonumber
\end{align}
(2)\begin{align}
\frac{z^{3}}{(2z -1)} = \frac{z^{3}}{8\left(z - \frac{1}{2} \right)^{3}} \nonumber
\end{align}
より,
\begin{align}
\oint^{}_{C}\frac{f(z)}{\left(z - \frac{1}{2} \right)^{3}}dz &= \frac{2\pi i}{2!}f^{(2)}\left( \frac{1}{2}\right) \nonumber \\
&= \pi i \frac{3}{4}\cdot \frac{1}{2} = \frac{3}{8}\pi i \nonumber
\end{align}
次回は留数定理を話します. ![]()
複素解析をざっとまとめるー18(複素関数の積分その3)
目次
積分経路の変形
線積分を求めるとき, が領域
の全ての点で正則ならば, 積分経路を変形する必要はありません. なぜなら, コーシーの積分定理より
が容易にわかるからです. 積分経路の変形が必要になるのは,
の内部に
が正則でない点や領域が含まれてしまう場合です. 特に,
内部に正則でない点があるとき, その点を特異点と言います. そういう場合は, コーシーの積分定理や積分経路の変形則をうまく使って簡単な線積分に落とし込むことが必要です.
閉曲線でない場合
前回の最後で変形則を1つ示しました.
\begin{align}
\int^{}_{C_{1}}f(z)dz =\int^{}_{C_{2}}f(z)dz \nonumber
\end{align}
これはが単連結で, かつ
が全体で正則な場合の話です. 線積分の結果は始点と終点の情報だけで決まる, ということを言っています.
領域の内部に特異点があることがわかっている場合, 次のような性質で線積分の結果が同じかどうかを判定できます.
\begin{align}
\int^{}_{C_{1}}f(z)dz = \int^{}_{C_{2}}f(z)dz \nonumber
\end{align}
となる.

証明にはコーシーの積分定理を使います.
証明
とすると,
の内部全体で正則ならばコーシーの積分定理より,
\begin{align}
\int^{}_{C}f(z)dz = 0 \nonumber
\end{align}
となる. 線積分の性質から
\begin{align}
\int^{}_{C}f(z)dz &= \int^{}_{C_{1}}f(z)dz -\int^{}_{C_{2}}f(z)dz \nonumber \\
&= 0 \nonumber
\end{align}
よって
\begin{align}
\int^{}_{C_{1}}f(z)dz=\int^{}_{C_{2}}f(z)dz \nonumber
\end{align}
となる.
証明終
では例題を解いてみましょう.

(2)
(3)
例題解答4
まず関数
(1)
パラメータ
複素線積分の計算方法は
\begin{align}
\int^{}_{C}f(\varphi(t))\varphi'(t)dt \nonumber
\end{align}
なので, これに当てはめると,
\begin{align}
\int^{1}_{-1}\frac{1}{1+it}\cdot i dt &= \int^{1}_{-1}\frac{i + t}{1 + t^{2}}dt \nonumber \\
&= \int^{1}_{-1}\left(\frac{i}{1+t^{2}} +\frac{t}{1+t^{2}}\right) dt \nonumber
\end{align}
ここで, 関数
\begin{align}
\int^{1}_{-1}\left(\frac{i}{1+t^{2}} \right) dt =i\int^{1}_{-1}\left(\frac{1}{1+t^{2}} \right)dt \nonumber
\end{align}
を求めればよいのです. パラメータ
\begin{align}
t = \tan \theta \quad(\theta:-\frac{\pi}{4}\to\frac{\pi}{4}) \nonumber
\end{align}
と変数変換します. 置換積分を行います.
\begin{align}
i\int^{1}_{-1}\left(\frac{1}{1+t^{2}} \right)dt &= i\int^{\pi/4}_{-\pi/4}\frac{1}{1+\tan^{2}\theta}\cdot \frac{1}{\cos^{2}\theta}d\theta \nonumber \\
&= i\int^{\pi/4}_{-\pi/4}d\theta \nonumber \\
&= i[\theta]^{\pi/4}_{-\pi/4} = \frac{\pi i}{2} \nonumber
\end{align}
これが答えです. 1行目から2行目へは
(2)
変形則1より
\begin{align}
\varphi(t) = \sqrt{2}e^{it}-1\quad\left(t:-\frac{\pi}{4}\to\frac{\pi}{4}\right) \nonumber
\end{align}
と表せます. オイラーの公式を用いて複素数を極形式で表し,
\begin{align}
\int^{\pi/4}_{-\pi/4}\frac{1}{1 + \sqrt{2}e^{it}-1}\cdot i\sqrt{2}e^{it} dt &= i\int^{\pi/4}_{-\pi/4}\frac{\sqrt{2}e^{it}}{\sqrt{2}e^{it}}dt \nonumber \\
&= i\int^{\pi/4}_{-\pi/4}dt = \frac{\pi i}{2} \nonumber
\end{align}
ほら, (1)と同じでしょう?
(3)
閉曲線
\begin{align}
i\int^{\pi/4}_{7\pi/4}\frac{\sqrt{2}e^{it}}{\sqrt{2}e^{it}}dt &= i[\theta]^{\pi/4}_{7\pi/4} \nonumber \\
&= -\frac{3\pi i}{2} \nonumber
\end{align}
となります.
閉曲線の場合
曲線が閉曲線である場合を考えましょう.
当然, 閉曲線の内部には特異点が含まれているとします. 具体的に次のような曲線
を想定しましょう.

関数は閉曲線
の内部で, 点
を除いて正則な関数であるとします. 特異点が無ければコーシーの積分定理で線積分は
になるのですが, 特異点があるのでそうはいきません. こういう場合は, 点
を中心とする小さい円を考えます. 今は半径をそれぞれ
としましょう. そしてその円周に向かって
から切り込みを入れます. 図で示すと次のような状態です.

点を中心とする円を正の向きに1周する経路をそれぞれ
とします. また
と
をつなぐ切れ込みの経路をそれぞれ
とします. このとき, 次の図で示された領域において,
は内部全体で正則で, かつこの領域は単連結です.

閉曲線を
の3つに分割すると,
,
,
を順番につないだ結合経路に沿った
の線積分はコーシーの積分定理より
になります. つまり,
\begin{align}
\int^{}_{C'T_{1}C_{1}^{-1}T_{1}^{-1}C''T_{2}C_{2}^{-1}T_{2}^{-1}C'''}f(z)dz = 0 \nonumber
\end{align}
となります. 結合経路の線積分は, それぞれの経路に沿った線積分の和になります. また, ある経路に対し, その逆向きの経路には
\begin{align}
\int^{}_{C^{-1}}f(z)dz = -\int^{}_{C}f(z)dz \nonumber
\end{align}
という関係性があるため, 先ほどの式は,
\begin{align}
&\int^{}_{C'}+\int^{}_{T_{1}}+\int^{}_{C_{1}^{-1}}+\int^{}_{T_{1}^{-1}}+\int^{}_{C''}+\int^{}_{T_{2}}+\int^{}_{C_{2}^{-1}}+\int^{}_{T_{2}^{-1}}+\int^{}_{C'''}\nonumber \\
&=\int^{}_{C'}+\int^{}_{C_{1}^{-1}}+\int^{}_{C''}+\int^{}_{C_{2}^{-1}}+\int^{}_{C'''}\quad(f(z)dz\mbox{は省略}) \nonumber
\end{align}
となります. ですから, 上式より,
\begin{align}
\int^{}_{C} + \int^{}_{C_{1}^{-1}}+\int^{}_{C_{2}^{-1}} = 0 \nonumber \\
\therefore \quad\int^{}_{C} = \int^{}_{C_{1}} + \int^{}_{C_{2}} \nonumber
\end{align}
となります. さて, 不思議な結果が得られてしまいました. これは, 「閉曲線の内部に特異点があるなら,
に沿った線積分の結果は, 特異点を中心とする円周のに沿った線積分の和に等しい」ということです. これは閉曲線
の内部に特異点がいくつもあった場合も同様です. つまり次のように一般化できます.
関数
\begin{align}
\oint^{}_{C}f(z)dz = \sum^{m}_{k = 1}\int^{}_{C_{k}}f(z)dz \nonumber
\end{align}
となる. ただし

積分の基本公式
「変形則2を使って積分を求めたいけど, 特異点を中心とする小円の方程式が分からなきゃ積分できないのではないか」と思われるかもしれません. しかし円の半径などが分からなくても線積分を求めることができます. そのような基本公式を示します.
\begin{align}
\int^{}_{C}(z-\alpha)^{m}dz =
\begin{cases}
0 &(m \neq -1)\\
2\pi i & (m = -1)
\end{cases}
\nonumber
\end{align}
この式で注目すべきなのは, 積分の結果がや
に依存しない定数だということです. すなわち半径や特異点の座標が分からなくても線積分が求められるのです. 証明も示しておきましょう. 難しくはありません.
証明上の点はパラメータ
を用いて, オイラーの公式より,
\begin{align}
z(t) = \alpha + re^{it}\quad(t:0\to 2\pi) \nonumber
\end{align}
と表せます. 線積分の計算を行うと,
\begin{align}
\int^{}_{C}(z-\alpha)^{m}dz &= \int^{2\pi}_{0}(re^{it})^{m}(ire^{it})dt \nonumber \\
&= ir^{m+1}\int^{2\pi}_{0}e^{i(m+1)t}dt \nonumber
\end{align}のとき,
\begin{align}
ir^{m+1}\left[\frac{1}{(m+1)t}e^{i(m+1)t}\right]^{2\pi}_{0}
= 0\nonumber
\end{align}のとき,
\begin{align}
i\int^{2\pi}_{0}1dt = 2\pi i \nonumber
\end{align}
証明終
基本公式1を用いれば, 次の基本公式2が分かります.
任意の単純閉曲線
\begin{align}
\int^{}_{C}\frac{1}{z-\alpha}dz =
\begin{cases}
2\pi i & (\alpha \in C\mbox{の内部}) \\
0 & (\alpha \in C\mbox{の外部})
\end{cases}
\nonumber
\end{align}
これも証明は単純です.
証明
関数は点
以外の全ての複素平面上の点で正則です. なので
が単純閉曲線
の外部の場合,
およびその内部全体を含む領域
を考えれば, コーシーの積分定理より
\begin{align}
\int^{}_{C} = 0 \nonumber
\end{align}が
の内部の場合には, 基本公式1より
\begin{align}
\int^{}_{C} = 2\pi i
\end{align}
証明終
では例題を解いてみましょう.
関数

例題解答5
\begin{align}
\oint^{}_{C}f(z)dz = \oint^{}_{C_{1}}f(z)dz + \oint^{}_{C_{2}}f(z)dz \nonumber
\end{align}
となります.

\begin{align}
\frac{2z-2}{z(z-2)} = \frac{1}{z}+\frac{1}{z-2} \nonumber
\end{align}
と表せます.
\begin{align}
\oint^{}_{C_{1}}f(z)dz &= \oint^{}_{C_{1}}\frac{1}{z}dz+\oint^{}_{C_{1}}\frac{1}{z-2}dz \nonumber \\
&= 2\pi i + 0 = 2\pi i \nonumber
\end{align}
\begin{align}
\oint^{}_{C_{2}}f(z)dz &= \oint^{}_{C_{2}}\frac{1}{z}dz+\oint^{}_{C_{2}}\frac{1}{z-2}dz \nonumber \\
&= 0 + 2\pi i = 2\pi i \nonumber
\end{align}
となります. よって答えは,
\begin{align}
\oint^{}_{C}f(z)dz = 4\pi i \nonumber
\end{align}
私はCR関係式からだいたいこの複素積分を求め方のあたりまでが複素関数論で一番苦しいところの1つだと思っています(もう1つはリーマン面, それから解析接続のあたりでしょうか). とりあえずはおつかれさまです. 頭をなでてあげます. なでなで.
次回はコーシーの積分定理から導かれる美しい定理の1つ「コーシーの積分公式」とその一般形である「グルサの定理」を説明します.